現状にとらわれず、新しいチャレンジを続けていく佐藤梨園。有用微生物群【EM菌】の力で梨の甘味をさらに強く深める。
新潟市江南区は昔から農作物の栽培が盛んで、梨の一大産地とも言われています。
その中でも佐藤梨園は明治時代から代々続く梨園です。有用微生物群【EM菌】を活用し、化学肥料や農薬を使わない栽培方法で多くの品種の生産を手掛ける園主の佐藤陽介さんにお話を伺いました。
数多く品種を揃えて、色んな味を楽しんでもらいたい
(安達)
佐藤さんは7代目と伺いましたが、佐藤梨園さんは何年ぐらい続いているのですか?
はい、だいたいですが200年以上ですね。
(安達)
200年以上の長い歴史をお持ちなんですね。
畑はどれくらいお持ちなのですか?
梨が1ヘクタール、米が1.7ヘクタール、ぶどうが10アールですね。
あと、地元の若手農家と共同で梅とリンゴを全体で5反ほどあります。
(安達)
梨だけではなく、お米やぶどうなどの栽培も行っているんですね。
梨はどんな品種がありますか?
8月から収穫がスタートして、最初に出る品種が『愛甘水(あいかんすい)』という品種になるのですが、その後、『幸水(こうすい)』『秀玉(しゅうぎょく)』『豊水(ほうすい)』『二十世紀』『あきづき』『南水(なんすい)』『新星(しんせい)』『新高(にいたか)』『新興(しんこう)』ですね。
他にも色々あるんですけど、おおまかにはその辺りです。
(安達)
すごい品種の数ですね!
こんなに沢山の種類の生産をやっていらっしゃることに驚きました。
品種を多く作っているのは、小売をメインで考えているためです。
8月の最初の品種が出てから品種リレーで絶え間なく収穫できるように。あとは数多く揃えて、色んな味を楽しんでもらいたいという思いで、色々と品種は作っています。
(安達)
それだけの種類を栽培される中で非常に難しいこともあると思いますが、普段苦労されている点や気をつけている点などありますか?
それぞれの品種によって栽培の特性などが違うので、管理の仕方とか変えつつ、様々な対応をすることがあるので、そういったところに注意しながら栽培してますね。
(安達)
品種によって管理方法が異なるので、ひとつひとつに気を使わなくてはいけませんよね。一方で新しい品種もチャレンジされていると伺いました。
はい。新品種といわれている『新美月(しんみずき)』や『新王(しんおう)』も増やしてますし、これから主流になるであろう品種も栽培を始めていますので、そういったものが今後出てくるかなと思います。
代々受け継がれている「チャレンジするという精神」
(安達)
先日、佐藤梨園さんから梨を購入させていただきました。
清野朱美先生から「新潟で一番おいしい」と聞いていましたので、他の梨とどのように味が違うのかワクワクしながらいただきました。
私の嫁ぎ先も梨農家なので食べ慣れているつもりでしたが、凄く美味しかったです!甘いのにさっぱりとしていて、新潟で一番というのもうなずけるおいしさでした。
ありがとうございます。
(安達)
先ほど新品種を増やすとおっしゃっていましたが、新しいことにもチャレンジするという精神は、元々佐藤梨園さんに代々受け継がれているものですか?
そうですね。うちが直売を始めるのも、もともとは共選出荷が多かったのですが、お客さんが直接買いに来るようになって始めたというのが元です。
そういうことにもどんどん挑戦していって今の直売をやるような販売形式にも挑戦してきておりますし、新しい品種を作り始めるというのも私の前の代からずっと続けていることなので、今後も引き継いで今の状態にとらわれずにどんどん新しいことに挑戦できるかなと思っています。
(安達)
新しいことにも臆さないで挑戦していく精神が代々受け継がれて「新潟で一番おいしい梨」と評価される梨ができたんですね。
佐藤さんご自身が一番好きな梨は、どの品種でしょうか?
うちで栽培している品種で言うと、前半の方の梨では『秀玉』ですね。珍しい品種でさっぱりとした甘みが特徴で、青梨特有の瑞々しさがあり美味しいです。
9月頃になれば『あきづき』が一番人気の品種になります。 サクサクとした食感が特徴で甘みが強い品種なので、こちらも美味しい品種ですね。
お客様のおかげで一年中大変でも頑張ろうという活力が生まれる
(安達)
佐藤さんがこれまでお客様と色々関わる中で、一番嬉しかった出来事を教えてください。
いつも思うことなのですが、一度買いに来てくれたお客様が再度購入しに来て下さって、その時に「以前買ったものを、また買いに来ました」と言ってもらえると、かなりやりがいがあり嬉しく感じますね。
(安達)
そういったお客様からのフィードバックがあることは、生産者にとって嬉しいことで、モチベーションが上がることですよね。
日常的にお客様がどんどん来客されていますが、遠方の方で通販やギフト用に申し込まれる方もいらっしゃいますか?
はい。わざわざ県外からも来てくださるお客様がいます。お中元の時期など申し込み注文される方がたくさんいらっしゃいますね。
(安達)
根強いファンがいらっしゃるんですね。
そういう方が来てくださるというのが非常に嬉しくて、休みが取れなくても一年中大変でも頑張ろうと思う活力になります。
【EM菌】を使った自家製肥料でさらにおいしい梨へ
(安達)
栽培のこだわりやポイントなどがあれば教えていただけますか?
はい。自家製の肥料を作って畑に撒いているのですが、有機肥料を使うので化学肥料を使うより味に深みが出るというか、甘みが強く感じるようになると思います。
(安達)
肥料も自家製なんてすごいこだわりですね。自家製の肥料はどういったもので作っていらっしゃるのですか?
米ぬかやもみ殻などを混ぜて発酵させたものを肥料として使っています。うちでは、ぼかし肥料にEM菌という有用微生物という光合成細菌や酵母菌や乳酸菌が入っている微生物をぼかしに混ぜたり、その細菌が入っている活性液を畑の土壌に散布して木の成長を手助けしています。
(安達)
肥料にする米ぬかやもみ殻は、農園で栽培されているお米のもみ殻を使っているんですか?
はい。作った肥料は時期にもよりますが、だいたい数週間から一ヶ月程度で出来上がります。
(安達)
その肥料を使うことによって、梨はどんなふうにおいしくなるんでしょうか?
細菌によって成長の作用を助けるので光合成量が向上して、実にも糖分、甘みを増やす作用があります。木の成長を助け、生育も良くなるので、実の太りも良く味もしっかりした梨ができます。
(安達)
独自の肥料を使うことで、さらに甘みが変わるんですね。まさに付加価値の高い食材だと思います。
でも、これだけ品種がたくさんあると、花粉付けと収穫の時期は非常に大変ですよね。
はい。一番重要な作業ですし、収穫もこの時期の一番メインの仕事になってくるので、年間を通してなかなか大変な仕事ですね。でも梨は一年中作業があるので、それぞれに手を抜かずにしっかりやっています。
(安達)
収穫のタイミングは品種によって違うと思うのですが、花粉付けのタイミングは結構重なったりしますか?
そうですね。品種により花が咲くタイミングが前半と後半に分かれますが、だいたい一週間~二週間ぐらいの間に集約される作業なので、タイミングが重要になりますね。
花粉付けを効率的にやるには木の樹形なども結構重要で、枝の配置によっては作業のしやすさがかなり変わってくるので、そういう事も考えながら剪定作業などもやっています。
(安達)
なるほど。花粉付けの作業効率も考えた中で、剪定作業をやっていらっしゃるのですね。
はい。前に比べれば、作業の効率はちょっと良くなってきましたね。
花粉付けは一瞬で終わるので、忙しいといえば忙しいんですけど、一番辛いのは袋がけですね。
(安達)
確かに梨の一つ一つに袋を掛けていく作業は、これだけの数があると大変ですよね。
5月の後半くらいから始めて、7月半ばくらいまでは終わらないです。剪定とかは結構楽しいですけどね。
佐藤梨園では、新潟新御三家といわれる、新品種も栽培。写真左:新美月/中央:新碧/右:新王
佐藤梨園のその時期に応じた品種や味を食べ比べていただけると嬉しい
(安達)
梨の産地は全国にいくつかあると思いますが、佐藤梨園の「全国に負けないぞ」というところを教えてください。
そうですね。新潟で栽培してることで、他の地域と違った時期に違った品種を食べられるところでしょうか。
例えば関東では早い時期に『あきづき』とかも出てきていて、もう時期が終わってしまって食べられないということもあると思います。
ただ、日本全国見渡すと地域や品種によって違う時期に収穫されているので、梨好きの方も品種を追っていくうちに新潟に辿りついて、うちの梨を食べてもらうとかそういった楽しみ方もできるのかなと思います。
他のところで買っているという方も、ぜひ試しに新潟の梨を食べてもらえたらなと思いますね。
(安達)
そうなんですね!フレマルは生産者の方はたくさんの種類の食材が登録できて、飲食店の方は試しに購入したくなる食材をみつけたら気軽に購入できるアプリなんです。
だから、各地の梨を食べた方もフレマルで佐藤梨園さんの梨に辿りついて購入する、そんな楽しみ方も実現できると思います。フレマルをきっかけに、佐藤梨園さんの魅力が全国の梨好きの方に広まったら嬉しいです。
ありがとうございます。佐藤梨園では品種の数がかなり多くて、メジャーな品種からマイナーな品種まで様々な品種を時期によって取り揃えていますので、その時期に応じた梨の品種やそれぞれの味の違いを比べることができます。だからシーズン通して食べていただけると、すごく嬉しいです。
これから先も梨だけではなくて、ぶどうやりんごの方にも少しずつ力を入れていき、梨以外の果物も多くの方に食べていただけるように頑張っていきたいと思っていますので、ぜひ今後ともよろしくお願いします。
(安達)
こちらこそ、よろしくお願いします!冬にかけて『ル レクチェ』が出荷されると聞きました。
今栽培されている種類はもちろんですが、手掛けている新品種の出荷も楽しみにしています。
多くの品種の栽培を手掛けるのも一年中大変な作業をするのも、すべては直売所に「また買いにきたよ」と足を運んでくれるお客様のため。そんな佐藤さんが愛情込めて栽培した梨は家族やスタッフにも好評で、あまりのおいしさにあっという間になくなってしまうほどでした。
梨の他にもル レクチェやぶどうなど、おすすめの果物がたくさん出荷されますので、ぜひチェックしてみてください。
佐藤梨園
園主:佐藤 陽介
【生産者情報】
〒950-0207 新潟市江南区二本木2-10-1
Tel :025-381-6088
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