フレマルユーザーのリアルを発信するWebメディア
2021年9月27日
生産者

臭みがなく、たまご本来の味わいと余韻を楽しめる「ピュアエッグ」。糸魚川フェルエッグの女性経営者が伝える、たまごに込められた想いとパワー

新潟県の最西端にある糸魚川市。日本海に面し、世界的にも珍しいヒスイの産地でもある。海の幸も山の幸も豊富なこの糸魚川市の住宅地に、風見鶏のいる屋根が特徴的な建物が印象的な洋菓子店「フェルエッグ」がある。
自家養鶏場・渡辺鶏園の新鮮なたまごを使ったお菓子を製造、販売する洋菓子店として、新潟県糸魚川市に2007年に開店したこのお店では、渡辺鶏園のたまごはもちろんのこと、シフォンケーキやプリンなどの洋菓子が並び、たまごの甘い香りに心躍る。買い物客の絶えない人気洋菓子店の美味しさの秘密、そして各地のシェフからも愛されるフェルエッグのたまごについて、フェルエッグ代表の渡辺洋子さんにお話をうかがった。

自家養鶏場のたまごを生かした洋菓子づくりへの大きな決断

フレマル
(安達)

養鶏(鶏卵)というお仕事は、いつからはじめられたのか教えていただけますか?

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

養鶏(鶏卵)を始めたのは昭和の30年頃からですね。
昭和の初期の頃は、農家さんとかたまごが日銭になるってことで、飼ったりするってところがあったみたいです。社長の父も同じように飼い始めて、少しずつ羽数を増やしていきながら、昭和61年に(有)渡辺鶏園として法人化しました。その頃ちょうど私も結婚して携わっていきました。

フレマル
(安達)

渡辺鶏園の現社長 渡辺忠康さんとご結婚してから養鶏に携わるようになったんですね。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうですね。そうやって養鶏を手伝って平成13年頃ですか、鳥インフルエンザが九州で流行して。その時にたまごの価格が全国的に大暴落して、それに反比例してどんどん餌代が高騰してきたんです。

フレマル
(安達)

たまごの価格暴落だけではなく、餌代も高騰しては、経営がどんどん厳しくなりますね……

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

はい。もう生産すれば生産するほど赤字が膨らむし、うちも大規模経営ではないので、辞めようかって話にもなりました。ですが、鶏舎を綺麗にして鳥を処分するのも、お金がある程度かかるけど、それに費やすお金もないし。

フレマル
(安達)

処分か生産のどちらを選んでも、金銭面の負担が重くのしかかるという状況ですね……

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうですね。困ったと悩んでいたんですが、鶏も毎日たまご産んでくれるし。たまごって相場で動くので、自分たちで値段を付けることができないんです。だったら、そのたまごを活かして、何かしら自分たちで値段を付けることができるものを作っていこうと決めました。

フレマル
(安達)

大きな決断ですね。洋菓子を作ることはすぐに決まったんでしょうか?

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

いえ、方向は決まったけど「何がいいだろうか。お惣菜?厚焼きたまご?ジェラート?」という具合でした。たまごを使うものをいくつかピックアップして調べてみたんですが、糸魚川でお惣菜作って出しても、どれだけ出るかわからないし。
そんな時に、たまたま紹介していただいたオーブンや製造機器を作っていらっしゃるメーカーさんが「たまごだったらやっぱりお菓子?プリンとかシュークリームとか。みなさん食べますし」っておっしゃって。私は製菓学校に行ったこともないし、できないって話したんですが「大丈夫」と。

フレマル
(安達)

なるほど、メーカーの方に背中を押されてなのですね。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

向こうはオーブンメーカーですしね。そう言われて東京のテストキッチンに何回か通いました。そしてそのメーカーのパティシエさんに色々教えてもらったり、試作を何回か作ってみた時に「たまごを使って何かやるなら、“たまご屋さんがたまごたっぷり使って作ってます”というのは全国どこでもやってるから、もっと付加価値をつけてできないかな」と考えたんです。

フレマル
(安達)

誰でもやっているような当たり前のことを売りにするのではなく、今までとは違ったたまご屋さんならではの付加価値が必要だということですね。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうです。そこで、たまごってちょっと生臭いところがあるから、その生臭みを取ったお菓子に向くようなたまごを作ってみようかと考えました。それで社長が餌の配合を変えたりして、今のピュアエッグができました。

フレマル
(安達)

そのような経緯で、ピュアエッグができたんですね。生臭みのないお菓子向けのたまごを作るという着眼点は、養鶏をされているからこそできる発想ですね。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

できたピュアエッグを持って、東京のテストキッチンでシフォンケーキを作ってもらいました。そのシフォンケーキを食べた時に、なんかもう理屈ではなくて、すごくおいしいくって。口で説明できない「これならいけるかもしれない」「できるかもしれない」みたいな直感がありました。
そこから、ひた走りにやりだして現在に至るっていう感じですね。

悔しい思いから芽生えた「覚悟」

フレマル
(安達)

まさに「衝撃が走った」という感覚ですね。そこからフェルエッグというこのお店が誕生したわけですが、新しくお店を立ち上げるというのは、大変ではなかったですか?

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

食べ物もきちんとした食べ物、魅力を感じられる食べ物をつくって、売っていきたいなぁというのがあったので、借金をしてお店を建てましたが家族、主人、親からも大反対されました。
それと、当時は【六次化産業】って言葉はあったんですけど、今のように推奨するような雰囲気ではなかったので、周りの方にも「何を考えているんだ」「プリンなんか作って、売れると思ってるんですか?」「借金返せると思ってるんですか?」って。

フレマル
(安達)

えっ、そんなことを言われたんですか?

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

すごく言われました。「プリンだけしかできないんでしょ」みたいなことも言われて。何でそんなこと言われなきゃ…「応援してくれる立場でしょ?あなたたち」って。もう本当に切なくなるような。

フレマル
(安達)

それは悔しいですね。当時の渡辺さんの気持ちが痛いくらい伝わります。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

すっごく悔しかったんですよ。だから絶対負けられない。失敗は許されないって。この建物も、家族の反対を押し切って建てて始めたことだし、失敗は絶対許されないって思って。とにかく子供も小さかったんですけど、いい母親になろうとか、いい嫁でいようとか、いい妻でいようとか、もうそれ全部捨てないとできないわ、と思って捨てました。

フレマル
(安達)

全てを捨てて覚悟を決めたんですね。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうですね。覚悟するところまでが一番つらい時期で、でもそれは周りからなんと言われようとも、もう自分で決めたらやるしかないと思いました。一度そこを越えたら、割と楽になったんですけどね。でも子供もまだ手のかかるというか母親が欲しい時期だった中で、お店に17~18時間くらいいました。家には寝に帰るような状態だったので、家族にはずいぶん迷惑かけたな、と思います。

フレマル
(安達)

私自身も起業して事業をやる中で様々な葛藤があったので、お気持ちがよくわかって…すごくご苦労されたんだろうなって……

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうだったんですね。私も子供たちだってお母さんにしてもらいたいことがいっぱいあるだろうに、それを我慢して娘3人でご飯を作って食べたり、いつも3人でいてくれたりとかしてたんですけど、さびしかったろうなって。今になると。
でも私ができることっていうのは、ここをちゃんとやりきるっていうことしかできない。今更母親らしいことなんていったって、もう取り返しもつかないし。だからこの仕事をちゃんとやるっていうことが、いろいろお世話になった人、心配かけた方たちへの恩返し。もうそれしかないだろうなっていう風に思っています。でも、もうしょうがないと思って自分の中で割り切るまでがね、心の葛藤がありますよね。

長くお付き合いしていける方達と繋がっていけるということが理想

フレマル
(安達)

でも娘さんたちにとっても、そうやってお母さんが活躍されてる様子って誇りに思われてるんじゃないでしょうか。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

いや、あぁはなりたくないって思うんじゃないかと。
こんな状況だし先のことはわからないけど、今後は私がフェルエッグを見守れる立場になれるように、10年くらいを目処に切り替えていこうかと思っています。もしそこができなければ、きれいに畳める準備をするとか。10年先、どうしていたいのかということを見据えて、コロナ禍という状況でもあるので、この1年ぐらいの間に方向性をきちんと決めて進路をもっていく、というカタチで今は動いています。手を広げず、自分たちのできる範囲内のところで着実にみんなが生活していける利益が発生するようなカタチにしていくっていうのが最終の目標ですね。

フレマル
(安達)

渡辺さんが築いてきたフェルエッグを次に託す準備ですね。10年というのは長期に思えますがコロナ禍の今だからこそ、先を見据えての行動は大切だと思います。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうですね。こういう時代だし、大きくはしないというところで考えています。やっていることにきちんと意味を持たせて、確実でちゃんと自分たちの向いている方向があるっていう、そういう事業所にしていくという感じですね。

フレマル
(安達)

なるほど。そこに共感をしてくれて、本当のフェルエッグさんの真の価値を理解してくださる方たちが購入してくださる。そういうつながりが大きい動きではなくて、一つ一つ着実にこう、増えていくっていうのが……

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうですね。長くお付き合いしていける方達と繋がっていける、というところに持って行くのが理想ですね。

フレマル
(安達)

まさに、フレマルが目指してるところって、そういうところなんです。
特に食材などは、自分が本当にこだわって、想いだったり理念などに飲食店や個人の方が「いいな」って感じるからこそ、例えばたまご1つとっても、それまで飼育されている過程や苦労などにも想いを寄せて、ありがたくいただけて「おいしかったね」のコミュニケーションができていく。こんなことが昔はできたんじゃないかなぁって思うんです。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

昔はそんなコミュニケーションがとりやすい時代でしたね。

フレマル
(安達)

それがネット社会になって、便利にどこでも入手できるようになったかもしれないけれど、どちらかというと表面的な情報ばかりで、本当の芯のところのコミュニケーションがなかなかできづらくなってしまった。けれどもその表面だけではない、お互いの価値観を擦り合わせながら、便利なアプリやツールというものを介して、コミュニケーションとってもらいたいという想いでつくったのがフレマルなんです。

同じレシピでも絶対にうちのお菓子は真似できない!というくらい、たまごで味が変わるんです

フレマル
(安達)

先日ピュアエッグとネラと両方いただきましたが、どちらもとてもおいしかったです。ピュアエッグもネラも臭みのなさみたいなところは、すごく感じました。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

臭みがないので、そのちょっとした臭みが好きだっていう人には、ちょっと物足りないかなって思われそうです。でもいろんな料理にも邪魔をせずに、しっかりとたまごの味が、ちゃんと残るんです。

フレマル
(安達)

確かに!たまごの味と香りみたいなところはしっかりあるけれども、ちょっと嫌に感じる臭みの部分がないことで、例えば茶碗蒸しとか和食とかでのお出汁と合わせると、すごく相性がいいんだろうなって思いました。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうですよね。私もたまごでお菓子の味が変わるっていうのは、作ってはいたけど認識としては薄かったんです。
でも、フェルエッグをオープンして3~4ヶ月くらい経った時に、まだ慣れないから毎朝作ったものを試食していたんですが、いつもですと口の中にいつまでもたまごの余韻が残るんですよ、食べた後に。フワーッといつまでも残ってるんですが、ある日食べたら残らなくって。
なんかすごいさっぱりとした感じで、うちのシフォンケーキとちょっと違う感じだなって思ったので、社長に「なんかいつもとお菓子の味がちょっと違う風に感じるけど」って言ったら、ピュアエッグをつくるために与えている餌の発注が遅れて、1週間くらいその餌を食べさせてないっていうことを聞きました。じゃあそれが原因なのかな、と。

フレマル
(安達)

餌の違いで、そんなにたまごの味が変わるんですか!

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

変わるんです。それでピュアエッグじゃないたまごで作るとこんなに味が違うんだっていうことを、その時本当に実感して。その餌を与えてたまごに成分が移行して、ちゃんとしたピュアエッグになるまでに1週間から10日かかるので、その間は店を閉めました。
ケーキじゃない味のものを売って「これがフェルエッグさんの味か」って言われても嫌だったので、たまごが元に戻るまで作るのを止めて、来店したお客様に「今、こういう事情で作れないんですが、また10日後には作りますので」って説明していましたね。

フレマル
(安達)

なるほど、そうですよね。ピュアエッグを使っていない、いつもと違うお菓子を食べたお客様に、これがフェルエッグの味だと勘違いしてほしくないですよね。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

うちはパテシィエじゃないし、誰でも作れるシュークリームやプリンだけど、でもピュアエッグがなかったらフェルエッグのお菓子じゃないっていうことは、同じレシピでも絶対にうちのお菓子は作れないっていうことなので、これはもう自信を持ってやっていけるなって、その時に再発見、確認しました。

フレマル
(安達)

ピュアエッグという素晴らしいたまごがあってこそ、フェルエッグのお菓子が完成するということですね。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

養鶏が本業ですし、しっかりとおいしいたまごを作っていくっていうことが大黒柱で、そこにお菓子が乗っかっている、という考えでずっとやってきていました。でもなかなかその想いが外に伝わらないっていうか。自分でも最大限にPRしているつもりなんですけど、なんかわかりづらいっていうところもあるみたいです。「もう少し出した方がいいんじゃない」って言われたり。まだ何か伝わり切れないところが、きっとあるんでしょうね。

フレマル
(安達)

全国に食材やそれにかける想いをPRするのはなかなか難しいところではありますよね。このインタビューのようにフレマルが生産者や飲食店の方々のお話をうかがって情報を発信していくことで、もっと幅広くPRできるお手伝いができればと思います。

パスタに向いているたまご、和食に向いているたまご、そんなたまごのカスタムオーダーも夢じゃない

フレマル
(安達)

今現在、ピュアエッグなどはお菓子屋さんに卸していらっしゃるのでしょうか?

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

今はお菓子屋さんには卸していなくて、カフェとお蕎麦屋さんや和食などお料理として使う飲食店には出しています。出してもいいんでしょうけど、フェルエッグのお菓子を売っていきたいな、というところがあるので。
たまご屋を主流にやっていくとすると、ピュアエッグをどんどん買ってもらって、有名店のお菓子屋さんが使ってくれたというのが、その方がいいのかもしれないですけどね。

フレマル
(安達)

なるほど。そのあたりは難しいところだと思います。この前、プリンをいただいたんですが、やっぱりフェルエッグさんのお菓子は、ピュアエッグだからこそ、という想いも強いですよね。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうですね。でも最終的にたまごの生産というところに集中して、お菓子はごく一部にしていってもいいのかなぁって、考えるところもあります。気に入って使ってくださるお菓子屋さんとか、継続的に使ってくださるところがみつかれば、それもアリなのかなぁとは思います。でもフェルエッグという洋菓子屋っていう部分も大事にしていかなきゃと思うんです。それもどういう感じで継続していくのか、ということを考えていかなきゃいけないと思うところもありますね。

フレマル
(安達)

フェルエッグという洋菓子店も渡辺鶏園という養鶏場もどちらも大切にしたいから、即決断というのは難しいですよね。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

ピュアエッグに関しては、ちょっと継続させていきたいです。それとたまご屋として、例えばこういうたまごが欲しいというオーダーを受けて「パスタに向いているたまご」とか「この料理に向いているたまご」とか。そういうものを出していくっていうのも面白いなって。

フレマル
(安達)

ピュアエッグのように、料理ごとに向いているたまごを出していくのは、面白そうですね。今まで、そういうオーダーは受けたことはありますか?

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

受けたことはないです。たまごを使うにしても、レストランもそんなに大量に使うわけではないし、うちも鶏が生きていて産んでる間は売っていかなきゃいけないというところもありますので。オーダーを受ける代わりに生産したロットは買い取ってもらうっていうところから始めて、それが可能になってくれば、長期契約で契約終了するまでたまごを買っていただいて付加価値をつけつつ、その店に合うたまご、というのも面白いなと思いますね。

フレマル
(安達)

そのような販売方法も面白そうですね!
フレマルの場合、シェフからの要望で、例えばカスタムオーダーなたまごをつくることもできますし、それをフェルエッグさんとそのレストランのシェフとコラボ商品として、今後展開予定の一般向けのBtoCでも販売していただくことが可能になります。だからお店でも使ってもらえて、なおかつご自宅でも食べていただけるという、両輪で販売ができると思います。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうなんですね。社長は昔からそういったこだわりよりも、昭和の成長期にあったような、どんどん生産するというカタチの中でやってきていますので、これからそういうところに移行していくってなかなか難しいと思います。だからまずは養鶏をやってみたいと話している娘が、養鶏のノウハウを社長に教わってある程度習得したところから、少しずつそういうことを始めていくのも面白いんじゃないかなって思いますね。

フレマル
(安達)

10年先を見通して考えると、娘さんをはじめとした若い方の力が必要になってきますよね。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

はい。でも実際やると言っても、なかなかきつい仕事なので自分の生産したものが売れて、ある程度の収入も確保できてっていうことがきちんと為されていかないと、若い人もそれを継続してやっていくというのは難しいのではないかと思います。そうすると、やっぱり卵価に左右されないで、自分たちがつくったものはちゃんと価格になってというところをきちんと作っていかないといけないというところで、そのあたりも勉強しながらイチからっていう感じですね。

生産者の想いが詰まった「特別なたまご」がパワーになって頑張れる。想いがリレーされることを目指して

フレマル
(安達)

これから人口減少が懸念されているとはいえ、たまごを好きな人たちは、いっぱいいますよね。子供たちがお弁当でたまご焼きを頬張る嬉しそうな姿とか。実はこの前、フェルエッグさんのたまごでお弁当を作ってあげたんですけど、とても喜んでいました!
そういうところは、人口は減っていくにしても、きっとこれからも続いていくんだろうなと思います。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

そうですね。お弁当に入っているたまごを「今日のたまごはすごくいいたまごなんだよ」って言って、食べる方も「あー、特別なたまごなんだ」って、それがパワーになって頑張ってくれればいいですよね。食べるものって、ただ栄養価だけじゃなくってね、そういう想いなどが詰まってないと。

フレマル
(安達)

そうですよね。だからその生産者の方が込めた想いが伝わることで、調理する人も食べる人もこの想いをリレーして、受け継いで伝えていって。そして、それを食べた人が元気になれるものなのかな、ってずっと思っています。

いいことも悪いことも全部返ってくる「たのしさ」

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

本当に養鶏は厳しくて。養鶏がダメになればフェルエッグ自体もダメになってしまうし、なんとかそこを回避していかないといけないなっていうところで、頑張らないといけないんですけどね。目の前のことをするしかないんです、本当に。

フレマル
(安達)

目の前のことをきちんとクリアできなければ、未来に越えなきゃいけないものはクリアできないと思います。
今日お話を聞いて改めて思いましたが、ものすごくご苦労もされたでしょうし、それとは別にいろんなアイディアもお聞かせくださって。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

いえいえ、ありがとうございます。

フレマル
(安達)

女性で経営をされていらっしゃる方は何人かいらっしゃいますが、独身の方がどちらかといえば多い印象がありますよね。私は渡辺さんのように嫁という立場で子育てをしながら経営されている方に多く出会えていないので、渡辺さんのお話が聞けてすごく勇気をもらえました。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん代表
渡辺 洋子
さん

ありがとうございます。でも楽しいんですよ、すごく。やったことが自分に返ってくるし、良いことも悪いことも自分に返ってくるから。なんか楽しいんです。でも、継続していくことが一番大事なことですから。

「たまごは餌でこんなにも味が変わるのか。」渡辺鶏園のピュアエッグを味わうと、その臭みの無い爽やかかつたまご自体の旨みに驚きを覚えます。「今日は特別なたまごで作った卵焼きだよ!」ピュアエッグを使った卵焼きを子供たちの朝食に作ったところ、「毎日このたまごがいい」というリクエストが返ってきました。臭みの無い「ピュアエッグ」は、お菓子作りはもちろんのこと、茶わん蒸し等の出汁と合わせる和食にもとても相性のいいたまごです。臭みがなく、たまごの旨みと香りの余韻が残る・・・そんな体験をぜひピュアエッグでお楽しみください。

フェルエッグ 代表 渡辺洋子さん

フェルエッグ
代表 渡辺 洋子さん

【お店情報】
〒941-0047 新潟県糸魚川市平牛2116
Tel :025-550-6680
HP :https://f-agg.com/

フレマルの飲食店様はログインの上、プロフィールをご覧ください。
https://fremar.jp/users/shop_farms/6801455962

関連記事