橋本農園「”不可能”といわれる領域に踏み込む」
”無農薬&無肥料“で野菜をつくる
「イチゴ栽培で無農薬は不可能だよ。。」
そんな常識を覆す非常識なイチゴ栽培を行っている農家が、埼玉県上里町にいらっしゃいます。
2019年よりイチゴの無農薬栽培に取り組んでいる、橋本農園の橋本さんご夫妻。
昨年は、泣く泣く植え付けの時期と成長初期に全滅を防ぐため、アブラムシ対策に2回、農薬を使用せざるを得ませんでした、、、と残念そうに正直に伝えてくれました。(2021年1月現在、橋本農園では無農薬のイチゴ栽培に成功されています)
2011年頃「これからの時代は“固定種やさい”と”自然栽培“を求める人が増えるはず!」と思い、群馬県中の生産者を探し回っているなかで、マルシェで出会った【愛足風土】という自然栽培やさいを中心に栽培する若手農家メンバー。そのメンバーの中心が橋本さんご夫妻でした。出会った時点で、すでに非常に良質な自然栽培やさいを生産されていた彼らに驚きを隠せませんでした。
その当時から、物事の本質を突く物言いと実践をされていた橋本さんは、当時不可能とされていた”無農薬&無肥料“で野菜をつくることを土壌と種子とお水のチカラを引き出すことに注力し、実現されていました。
(橋本さんの自然栽培やさいは、本当に美味しかったのですが、今はイチゴ栽培に集中されています。)
その10年間の自然栽培の取り組みを通してお二人が至った境地は、水を活性化させることで作物を元気にするエネルギーが自然界から集まってくるという事実。
10年以上の農業実践で培ったこの技術を応用して、橋本さん夫妻が次なる挑戦として選んだのが、無農薬での栽培が不可能とされているイチゴ栽培でした。
栽培の肝は”水と菌のチカラ”
栽培の肝となっているのは、お水を活性化する自作のろ過&活性装置と岩手県の菌の博士と呼ばれる方から仕入れている、森で自生する黒トリュフ菌の培養液。
この二つがキーポイントとなって無農薬栽培を実現されているという事実に驚きを覚えた一方で、頭に浮かんだのは、あの宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」でナウシカが地下の研究室で取り組んでいた“菌と共生する“世界観。お二人もナウシカに刺激を受けたか否かわかりませんが、マンガではなく現実の世界で水と菌のチカラを信じてイチゴという果実に結実させたのは、まさに偉業だと感じました。
試食させていただいたイチゴは、香りも味も本当に素晴らしい「んんーっ!!とうなってしまう」逸品ものでした。特に印象的だったのが、その香り!イチゴってこんなに香り高かったっけ???と思うほどの心地よい香りが部屋中を満たす感動を味わいました。
農薬に頼らずとも作物は美味しく育つ
子どもたちが大好きなイチゴ。しかし、農薬の使用量が農作物の中で一二を争うほど多い、という残念な一面も。通常のイチゴ栽培における農薬散布回数は年間50~60回とのこと。しかもその中心となっている農薬は、ミツバチの失踪でも問題視されているネオニコチノイド系の農薬。“イチゴが無農薬でできる”ということが常識となれば、子どもたちのみならず生産者の健康や生態系の健全化に寄与することは明らか。
現段階では、B品の量もある程度多く出てしまうのが致し方ない状況(B品と分類するには、もったいないクオリティです )。A品のみならず、加工用にB品イチゴも一緒にお取引いただいて、安定的に無農薬イチゴが栽培できるよう、少し不格好なイチゴもお客様と共に楽しみながら応援していただけたら幸いです。
”不可能”といわれる領域に踏み込み、とうとう2020年には農薬に頼らずとも作物は美味しく育つ、という現実をつかみとった橋本農園のイチゴを、ぜひご堪能ください。
オーガニック野菜専門店BIOSK 店主 櫻井正喜
【プロフィール】
1978年8月20日生まれ
東京農工大学大学院農学研究科卒
NPO法人文化学習共同ネットワークにて、不登校や引きこもりの青年たちの就労支援を目的としたパン屋「風のすみか」の立ち上げ生産農場の農園長として従事。
その後、有機農業のより高度な技術習得のために渡独。
ドイツの旧首都ボン近郊の田舎町で、BIOHOTEL(オーガニック認証を受けたホテル)の農場管理の仕事に従事する。また仕事を通じて、ヨーロッパ各地の“オーガニックの気軽さ日常感、楽しみ方”に大いに感化される。帰国後、群馬県高崎市にて就農。2012年6月「オーガニックを日常に。もっと気楽に楽しめる機会を提供する」ことをコンセプトにオーガニック野菜専門店BIOSK(※BIO<オーガニック>+KIOSK<小さな商店>)を立ち上げる。
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