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2021年5月31日
生産者

BIOSK(ビオスク)「オーガニックを日常に。もっと気楽に楽しめる機会を提供する」

こんにちは!
群馬県高崎市でBIOSK(ビオスク)というオーガニック野菜専門の八百屋を経営している櫻井です。

2012年6月に創業し、しばらくの間、自ら生産して、加工して、販売する6次産業の形態をとっていましたが、周辺の先輩農家さんたちが作るお野菜があまりにも素晴らしく、2017年ころには農場部門を手放し、加工と販売に専念するようになりました。今になって感じるBIOSKの強みは、この“生産に5年間携わっていたこと”だと感じています。

自分でも、雑草にまみれ、虫や病気と格闘し、やっとできたお野菜を買ってもらえた時の喜びを知っているからこそ、販売する際に少し生産者の皆さんの想いを代弁して伝えられる、野菜の美味しさや力強さの理由を伝えられる、加工品を生み出すときに美味しいポイントを抑えられる。

また最近では、八百屋の重要な仕事として、より現場に出ることを意識し、生産者の方々のご苦労に寄り添いながら、野菜が生み出されるまでの物語や美味しさの秘密などを野菜と一緒にお届けできるよう取り組んでいます。
“オーガニックだから”という理由で“美味しさ”や“安全”がついていくるという幻想はもう過去のものになりつつある今、生産者さんと飲食店さんをつなぐ架け橋となる八百屋として、今後重要となってくる仕事は、いかにラベルや認定、〇〇賞に惑わされない買い手を育てるか、本当に素敵なこだわりを持って日土や作物と向き合っている生産者と出会い、その代弁者となるのか、、、。

10年前、お店を始める前に「オーガニックスーパー視察」と称して、アメリカの西海岸を2週間かけて縦断したことがありました。

その際に驚かされたのは、オーガニック市場の大きさと皆さんもご存じの大手スーパー“WHOLEFOODS”のおしゃれさや商品の多様さでした。
こんなふうに“オーガニックを気楽に毎日買える場所を日本でも作りたい!”と刺激をもらう一方で、その後訪れた農場視察で知らされたのは、大手スーパーに買いたたかれ、質を取るか量を取るか、有機認定の範囲内で農薬を使用するか否か、機械投資をして規模拡大するべきなのか、、苦悩する小~中規模の有機農場の生産者たちの姿でした。オーガニック世界に“より大量に”“より早く”“より安く”を求めた末路が、すでに見え隠れしていました。

日本でお店を始めて10年、つい先日、久しぶりに近くのスーパーに加工の際に使用するニンニクを買いに走ったのですが、その日は特売日だったのか『青森県産ニンニク¥193』の隣に『有機JAS認証ニンニク¥98/3個入り』があり、喜び勇んで後者を手に取りました。
買い物が済んで、車内に戻った際にふとニンニクラベルの詳細を確認すると『契約農地中国産』との表記が、、、なるほど、日本ではこういう形で大手スーパーは、“オーガニック”を広めていくのかと、全てを理解しました。

また同時に、小さな八百屋として、これは危機感をもって行動を起こしていかなければ、日本も10年前のアメリカのような世界になることを止められないことも痛感。
そう、いかに全国各地の素晴らしいこだわりをもちながら何十年も実践を続けていらっしゃる生産者の皆さんと、そんな生者者やお野菜との出会いを存分に活かそうと気概あふれる料理人の皆さんをちゃんとつなげなければ!と改めて目が覚める体験をいたしました。

ぜひとも、このFREMARサイトが素晴らしい生産者と素敵な飲食店の皆さんとをつなぐ架け橋となるよう、生命力あふれるお野菜たちの流通がとどまらぬよう、小さな八百屋としての役割を果たしていけたらと切に思っている次第です。

無自覚に“表面的な安全”と“安さ”に振り回される消費者が増えれば増えるほど、生命力あふれる、食べたら笑顔がこぼれる、心底元気になるようなお野菜の価値は見落とされ、そんな野菜を作ってくれる生産者はこの5~10年で居なくなる、農業従事者の平均年齢が70歳近い日本はそんな状況下に置かれている、、そんな危機感を抱いて、皆さんと活発にお取引していけたらと思っている次第です。

どうぞ皆様、BIOSKとつながりのある生産者の皆さんのとびきりのお野菜をお試しください!

オーガニック野菜専門店BIOSK 店主 櫻井正喜

【プロフィール】
1978年8月20日生まれ
東京農工大学大学院農学研究科卒

NPO法人文化学習共同ネットワークにて、不登校や引きこもりの青年たちの就労支援を目的としたパン屋「風のすみか」の立ち上げ生産農場の農園長として従事。
その後、有機農業のより高度な技術習得のために渡独。
ドイツの旧首都ボン近郊の田舎町で、BIOHOTEL(オーガニック認証を受けたホテル)の農場管理の仕事に従事する。また仕事を通じて、ヨーロッパ各地の“オーガニックの気軽さ日常感、楽しみ方”に大いに感化される。帰国後、群馬県高崎市にて就農。2012年6月「オーガニックを日常に。もっと気楽に楽しめる機会を提供する」ことをコンセプトにオーガニック野菜専門店BIOSK(※BIO<オーガニック>+KIOSK<小さな商店>)を立ち上げる。

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