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2021年5月30日
フレマル運営

フレマルは、食に関わる皆さまを応援するプラットフォーム

はじめまして。「フレマル」を開発しました、株式会社スマイルファームの安達里枝(あだちりえ)と申します。

この記事では、「なぜフレマルを作ったのか」をお伝えしたいと思います。

フレマル=応援 食に関わるすべての人が幸せになれるプラットフォームに

フレマルという名称は、「フレッシュマルシェ」と「フレーフレー(応援の掛け声)」を掛け合わせた造語です。

私たちスマイルファームは、新潟県の燕三条地域に所在します。燕三条は、世界的に有名な金属加工の産地です。そして、その金属加工の製品で特に多いのが、カトラリーやキッチン用品。地域として、食関連産業とは切っても切り離せない関係性にあります。

また、燕三条地域は、日本一の大河信濃川や、清らかな水の流れる五十嵐川・加茂川・中之口川といった水の恵をうけ、肥沃な土地であることから、米はもちろんのこと、果樹や野菜類など多品目の産地でもあります。

私自身は、このような環境の中で「兼業の果樹農家」という立場でありながら、約12年前にデジタルマーケティングの会社を起こし、地元の企業をはじめ、自治体や官公庁のデジタルマーケティングをご支援してきました。

しかし、ずっと心に引っかかり続けていることがありました。それは、「どうしたら、生産者はもっと収益力を向上できるのか」という問題です。

持続可能な一次産業とは何かを「マーケティング観点」から問う

例えば、環境的観点から有機農業が注目されたり、業務効率化のためにIot技術が導入されたりと、持続可能な一次産業であるために、様々な技術・サービスが開発されています。

しかし、マーケティング観点ではどうでしょうか。

食材の付加価値を高めるため、ブランディング等に取り組まれている生産者も多くいらっしゃいますが、何十年もの間繰り返し続けてこられた既存の流通から変化をすることを、「怖い」と感じたり、そもそもやり方が分からないという方も多くいらっしゃるのが現状であると思います。

私はこれまで、果樹の生産現場でたくさんの「勿体ない」を目の当たりにしてきました。台風で収穫前に落ちてしまった果樹は出荷できない。小売りで販売する伝手もないから、お金に換えられない。時間をかけて労働力や資材を投じて育ててきたものが、見るも無残に「穴を掘って埋めて捨ててしまうもの」にかわってしまうのです。

しかし、小売先を持っている農家は、このようなトラブルが起こっても、少し値引きしてでも販売し、収入を得ることができます。

小売先を開拓することは、「自分たちが手塩にかけて育てた農産物を知ってもらう」ということ。そして、安かろうで販売するのではなく、A品の魅力をきちんと理解してもらい、信頼関係を築くこと。

その、「知ってもらう、理解してもらう」という行為をこれまでやったことが無い生産者は、そのやり方が分からない…毎日追われる農作業の合間に、どう勉強したらよいのか分からない。ネットショップを開いても売れない…「売る」ということをやったことが無い方にとっては、売ることや自分たちの農産物の魅力を伝えることがとてもハードルの高いことに感じることが多いようです。

しかし、これこそ勿体ないこと。

少し勇気を出して、自分たちの作る農産物を、そして自分の考えを「伝える」ということをスタートしたら、その価値を理解してくれ「売れる」につながっていくのです。さらに、差別化や付加価値を伝えることができれば、もっと収益力の向上にもつながるのです。

収益力の向上は、サスティナブルにつながる

その職業が魅力的であるか、やってみたいと思うか。その判断基準には様々な要素があると思います。

  • 自分の好きなことで、やりがいを持てるか
  • 社会や人の役に立てるか
  • 収入が安定しているか など

中でも、「続けられる」という観点で見たときに、やはり収益力は大事な要素です。

だって、どんなに頑張っても満足な収入が得られなければ、継続できないですもの。

一次産業は、自然の恵みを受ける産業であるとともに、その自然が脅威にもなり、天候不順が続いた時には、ギャンブルのような経営を余儀なくされる場合もあります。

事実、親しい農家(しかも比較的大規模な農家)でも、天候不順(台風・水害・霜)の被害により、キャッシュフローが厳しく、日中は農業、夜はアルバイトと掛け持ちで一日中働きづめで、苦しい想いをされていた方がいました。

「息子にも農業を継いでほしい」と、事業承継という意味でも持続可能な農業とするためには、リスクの最小化が必要です。そして、リスクへ対処するためには、収益力を向上することが必要だと感じています。

だからこそ、ネットショップを開設するかのようにそんなに難しくなく、スマホさえあれば簡単に出品でき、その食材の魅力を気軽に伝えることができる、収益力の向上につながるサービスが必要だ。

売れるかどうか分からないものへの大きな投資ではなく、気軽に始められて、続けられるマーケティングツールが必要だ。

日本の農業は、数多くの小さな農家で成り立っています。もちろんお金が全てではありませんが、「守っていきたい、新たに就農したい」と思える産業であることが、サスティナブルに必要な要素だと考えています。

情報過多な世の中こそ、集約が大切

フレマルは、食材はもちろんのこと、食に関わる皆さんが使う道具も揃う「食の総合プラットフォーム」です。

なぜ幅広く商品を集めるのか…それは、利便性を高めるためです。

デジタル全盛の昨今。ネット上には無数のECサイトが存在し、その中から質が高く安心して取引ができる仕入れ先を探すのはなかなか難儀なことです。また、人はよほど心が動かないと「検索」という能動的行動を行いません。

しかし、便利なもの・役立つもの・感情が動かされるサービスやプラットフォームは、頻繁にアクセスし、その中を回遊します。

例えばニュースアプリ。自分の欲しい最新情報が一括で入手でき、便利ですよね。そして、SNS。気になる友人や著名人のアップデートがお知らせ通知され、思わず覗きたくなりますよね。

情報過多の時代こそ、できるだけ探す苦労をせずに良いモノ、良い情報に出会える。「良いモノを集約する」ことが利便性につながります。

だから、シェフの皆さんが忙しい合間にでも「いいモノないかなぁ」とフレマル内で気軽に食材や道具に出会えたり、「あの生産者さん、新しい食材をアップしたんだね!」と気になる生産者の情報を得ることができる利便性の高いサービスであることが必要だ…

私たちは、12年間デジタルマーケティングを行い、自治体や官公庁をはじめ、様々な民間企業のECサイト等のデータを分析し、そのサイトとユーザーとのコミュニケーションがどうあるべきかを改善提案してきました。だからこそ、「集約が生み出す利便性」に答えを見出し、それをカタチにしたのがこのフレマルなのです。

生産者だけの特権から、真の価値の理解者拡大へ

これまで、野菜や果物の「採れたての瑞々しさやその食材本来の甘さや味わい」は、一番美味しいタイミングで味わうことができる生産者と生産者に近しい産地の人たちだけの特権でした。

私はサラリーマン家庭で育ち、兼業農家に嫁ぐまでは、当然スーパーで食材を調達していました。しかし、農家に嫁いで何より驚いたこと…それは、野菜の真の美味しさ・甘さでした。

どんなに美味しいと言われるブランド食材でも、鮮度に大きな影響を受ける品種は、既存の流通では本来の美味しさを味わうことができません。

アスパラ・ブロッコリー・枝豆…鮮度による影響を大きく受ける食材は、数多く存在します。

しかし、生産者とシェフが直接つながったらどうでしょう…

…食材の新鮮さはお店の差別化のポイントにもなり、「どんな生産者がどんな環境で、どんな苦労のもと栽培したのか」というストーリーをシェフに伝えることができれば、シェフはその食材の状態やストーリーから、様々なインスピレーションを得て、スペシャルなメニューに仕立ててくれるでしょう。

シェフからの「美味しかったよ」のひと言は、生産者のモチベーションをあげてくれる、嬉しいコミュニケーションとなるはずです。

そんなシェフの評価は、その農産物の価値を引き上げ、さらに「選ばれる」ものとなっていくでしょう。

流通を少し変えるだけで、採れたてならではの美味しさは生産者だけの特権からシェフへと広がり、そのお店で食事をするお客様へと広がっていき、シェフにとっても生産者にとっても嬉しい「真の理解者の拡大」につながっていくのではないかと考えています。

食材の本来の美味しさの真の理解者が増えることで、生産者にも飲食店にとっても喜びが増えていくものと信じています。

フレマルは、生産者とシェフが信頼関係を築きながら、喜びを拡大生産していく場

食に関わるすべての人が幸せになれるよう、愛されるプラットフォームを目指してまいります。

皆様どうぞ、フレマルをともに育てるお気持ちで、叱咤激励をよろしくお願いいたします。

フレマル開発者(株)スマイルファーム 代表取締役 安達里枝

【プロフィール】
1978年11月21日生まれ
銀行員の両親のもとごく普通の家庭で育ち、医療・飲食・商社を経て果樹農家に嫁ぐ。長男を出産後にデジタルマーケティング会社((株)スマイルファーム)を起業。民間はもとより、自治体や官公庁のデジタルマーケティングを数多く支援。保有資格は、ウェブ解析士マスター・調理師・カラーコーディネーター。実は元バーテンダー。高校野球が大好き。3児(全員男の子)の母でもある。(公財)にいがた産業創造機構 事業アドバイザー、新潟商工会議所IT・マーケティング分野専門家。

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