フレマルユーザーのリアルを発信するWebメディア
2021年6月30日
飲食店

モルソー秋元さくらシェフ「旬を感じるお料理や自然に近い食材の味わい、お店の雰囲気を大切に」

フレマルのPRキャラクターもつとめてくれている、日比谷ミッドタウンにあるフレンチレストラン「モルソー」の秋元さくらシェフ。NHKあさイチをはじめ、様々なテレビ番組でもお馴染みの秋元シェフに、食材選びのこだわり等をインタビューしました。

朝採りアスパラのみずみずしさに、とにかく驚きました!

フレマル
(安達)

本日は、朝採れたばかりのアスパラを生産者さんからお預かりしてお持ちしたんですけど、フレマルではこうやって、生産者さんと直接、フレマルというサービスを通じて繋がっていただくことで、新鮮な美味しさをぜひシェフの方々にリアルに手に取って頂けたらなと思っています。
アスパラを調理して召し上がってみて、いかがでしたか?

秋元さくら
シェフ

まず直感は、鮮度が際立っているっていうことですね。東京で市場直送で食材を仕入れたとしてもやっぱり何日か経ってしまっていて、かつ実際のところじゃあ何日前に取れたものかっていうのがあまり分からない状態で来たものばかりですから。朝採れたもしくは昨日採れたばかりのものっていう、食材のみずみずしさにとにかく一番驚きましたね。
受け取って持ってみたときのずっしりとした重みと、質量というか、採れたてのお野菜とか鮮度のいいものとか今が旬のものは、本当に密度の高いものだと思っているので。ポテンシャルの高いお野菜だっていうのを持った感覚ですごく感じました。
そのまま生の状態でかじってみても、こんなに繊維が柔らかくて、すっと口の中に入ってくる生のアスパラは食べたことが無かったので、存在感を非常に感じましたね。

フレマル
(安達)

なるほど!!アスパラは鮮度に大きく左右される食材なので、やはり新鮮さの違いを感じていただけたのですね!

秋元さくら
シェフ

「アスパラだと皮をむいて固定概念でだいたいこれくらい茹でて・・・」というふうに調理してみたんですが、鮮度や味わいによって調理を柔軟に変えていかないといけないなと感じるくらい、非常にみずみずしいお野菜でした。
いろいろトライしてみて、焼いたり、煮たり、これ蒸してもいいだろうなとか、生だったらどうだろうっていう、いろいろな想像をイマジネーションさせてもらえる食材というのは、本当にいい食材だと思っています。市場や農家さんのところに行くと、採れたてのお野菜は「どうよわたし!」「私をどういうふうに調理してくれるの?」みたいなアピールをすごく感じるものなので、そういうお野菜に出会うと私も料理人としてワクワクしますし、ああしてみようかな、こうしてみようかな、という想像がとにかく湧きます。

鮮度は最大の付加価値

フレマル
(安達)

シェフの想像を掻き立てるような食材をお持ちできて、嬉しいです!さくらさんが普段食材を選ぶときにポイントにしていることや、こだわっていることはありますか?

秋元さくら
シェフ

市場に行って並んでいる食材を見ると、今はもう旬があるようで無いような状態になってしまっていて。一年中通年で採られる食材が並んでる中で、やはり旬の食材は並んでいてもなにか「顔つきが違う」というか、「みずみずしさが違う」というか。逆に旬なものであればあるほど不揃いだったり、今一番美味しいから特に形にこだわらなくてもいいものが集まっているので、旬のものや自然にできて自然に美味しいものをできるだけ買うようにしたいなと思っています。

フレマル
(安達)

なるほど。旬のお野菜たちには、顔つきの違いがあらわれているのですね!

秋元さくら
シェフ

東京には最先端の情報が集まり、かつ食材も中央に集まってくるので、手に入らないものはほとんどありませんし、新しい食材がほとんど無い状態になってきています。そのなかで鮮度は最大の付加価値だと思います。
鮮度の良い野菜を仕入れるルートの価値は、収穫から短時間のうちにお料理として提供できることだと思います。本当に美味しいものを食べ慣れている方たちは、最大の価値として鮮度の良い食材を求めていると思います。その食材を加工しすぎない、もちろん何か一つでも技を効かせて料理しなくてはならないんですが、本当に鮮度をめいっぱい活かしたお料理を求めている方は特に東京にはたくさんいらっしゃると思います。

仕入れの問題を解決するフレマル

フレマル
(安達)

今までに、生産者の方と直接触れ合ったり、味を確かめて仕入れするようなご経験はありますか?

秋元さくら
シェフ

おかげさまでテレビの番組などで畑や産地、海なども回って、その場で直接捕れたての味を味わう機会をいくつかいただきました。その中で取引として成立するような物流を持っているところとは、直接仕入れするような関係を築かせていただいてるところもいくつかあります。

フレマル
(安達)

そうですよね!さくらさんは、番組を通じて様々な生産者と触れ合っていらっしゃいますよね。ちなみに、生産者さんと直接やり取りをする中で、何か困ったりしたことは今までにありますでしょうか?

秋元さくら
シェフ

一番はやはり安定した流通、安定した量の収穫や供給が出来なくて、どうしても今日はこれが難しいとか、これに関してはこの量採れない、などというようなことが一番難しいなと思ってるところですね。

フレマル
(安達)

なるほど。確かに安定共有は取引において非常に重要なポイントですよね。
その点は、フレマルをうまくご活用いただくことで、安定供給に繋がるかなと思っているんです。
フレマルの中では、例えば今日のアスパラ農家もそうなんですが、他にも品質の高いアスパラを作られている生産者さんが増えていくことで、いつもはおなじみの農園さんから仕入れしつつも、バッファというか万が一の時には他の農園さんからも仕入れてみようかな、とか。このような感じで一つの農園との取引だけでは不安だなというところを解消していただきながら、生産者さんと直接やりとりをしていただけたらいいな、と思っています。
生産者さんのところには直接行けないかもしれないけれども、フレマルを通じて全国の魅力的な生産者さんと出会えるということを、ぜひシェフの皆さんにやっていただきたくて。
さくらさんがフレマルに期待することがあれば、ぜひ教えてください!こんなことができたらいいな、こんな生産者に出会えたらいいな、など・・・

秋元さくら
シェフ

生産者さんにとって、レストランと取引する以上、お客様に提供してお料理として食べていただくことが一応ゴール地点になってくると思います。料理人サイドの意見になるんですが、生産者さんは食材を送り出すだけじゃなくて、どんなふうに料理されたかというところまでもし興味があれば、そういうフィードバックができるようなシステムがあるといいなと思っています。

フレマル
(安達)

そうですよね!そのコミュニケーションってすごく大切ですね!

秋元さくら
シェフ

あとは、意外と旬が短かったり、この時期が一番いいよ、というような情報を事前に送っていただけると、来月のメニューの組み立ての中で、あれがそろそろ入ってくる頃かなとか考えながらメニューを構成できると思います。多少前後してしまうこともあると思いますが。
非常にリアルな情報のチラシじゃないですが、情報源が送られてきて、それがDMのように一気に来るのではなくて、生産者さんの想いも含めて、自分はこうやって食べるのが一番美味しいと思ってるんだけど、シェフだったらどういう料理にするんだろう、みたいなコミュニケーションが双方に取れるようなシステムができるとすごく嬉しいなと思ってます。

家族と一緒にこの空間を楽しみたいと思ってもらえることが一番の誉め言葉

フレマル
(安達)

改めてモルソ―さんのコンセプトを教えていただけますか?

秋元さくら
シェフ

フランス料理というカテゴリでやらせていただいていて、こちらの日比谷に移転してきてもう三年が経って、四年目に入るところです。日比谷公園の緑を見ながら、何となくほっとするレストランでの時間を過ごしていただきたい、という思いでこちらに越してきました。公園の景色は季節によって移り変わるので、旬を感じるお料理や自然に近い食材の味わい、お店の雰囲気を非常に大切にしたお店にしています。

フレマル
(安達)

さくらさんがお料理をしている中で一番うれしい、ハッピーな瞬間はどんな時ですか?

秋元さくら
シェフ

お客様が喜んでくださるということは一番なんですが、そのお客様が私どものお料理を食べて、家族を連れてきたいと思ってくださることですね。例えば、お母さんと一緒に来たいなと思って、「母と来たんです」とか。お仕事で来てくださった方が、「奥さん連れて来たくなっちゃったから家族で来たよ」なんて声を聴くとうれしいですね。家族と一緒にこの空間を楽しみたい、食事を味わいたいと思ってくださることが、私にとっては一番の誉め言葉です。

作り手の思いが込められた道具を長く使っていきたい

フレマル
(安達)

今まで食材のお話を中心に聞いてきましたが、今度は食器やお酒、道具などのお話を聞いていきたいと思います。
こんなもの使ってみたいなど、今思い描いていらっしゃるものは何かありますか。

秋元さくら
シェフ

銅鍋ですね。フランス料理は銅の道具を使ってお料理をするんですが、やはり重いんです、分厚くて。ただ、フランス料理人は銅鍋を使ってずっとこれまで料理をしてきた歴史があります。テフロンが剝がれたからこのフライパンはもう捨ててという、使い捨ての時代ではなく、歴史あるものを大切にする、一つのものを長く使うというような、職人や作り手の思いが込められた道具を使っていけたら、若い子達にも本当のものの大切さを指導していけるかなと思っています。

端材を使った工夫がお料理における引き出しになってくる

フレマル
(安達)

先ほども、少しSDGsの話が出ましたが、さくらさんが心掛けているSDGsやサスティナブルなどはありますか。

秋元さくら
シェフ

とにかく端材や食材として食べられる部分を何とか調理して口の中に入れるということを意識してやっています。
料理屋なので、端っこのお野菜やお客様に提供できない部位は非常によく出てきます。特にフランス料理は、5mm角に切るためにちょっと斜めになっているジャガイモの側面を落としてしまったりするような調理をしますから。そこを若い子達がまかないなどに使って、どんなものに仕上げてくるかというのは本当に見ものです。まかない専用の仕入れは一切しない、もちろんどうしても取らなくてはならない時もあるんですが、少しでも食材をロスしないように知恵を振り絞っています。どういう工夫をするかがお料理における引き出しにもなってくると思うので。

お互いにいろいろ言い合えるような環境が整ってきたら心がこもっていくんだろうな、と感じます

フレマル
(安達)

生産者の方が、今のさくらさんの言葉を聞くと、きっと「あっ、自分の作った、手塩にかけたお野菜がこんな風に大切にお料理をしてくださって、美味しく食べてもらえるってうれしいな」と思うのではないでしょうか。さくらさんが改めて生産者の方にメッセージするとしたら、どんな言葉がありますか。

秋元さくら
シェフ

その食材のことを一番研究して、一番愛して作ってくださっている方たちですから、その食材を作る作り手の心を私たちも非常に大切にしています。
畑の環境やこの季節はこんなことがあってという、作り手さんが感じている日々のことや、うまくいかないことなど、私たちでは全く知りえない情報を、ぜひ我々にも投げていただきたいと思います。我々もいつの間にか農家さんたちと同じような気持ちでその食材と向き合えるようになれたら、一番うれしいなと思います。本当は一筋縄ではいかないような作物を作ることの難しさはたくさんあると思うので。

フレマル
(安達)

そうですね!生産者も、ぜひシェフに知っていただきたいと思っていると思います。

秋元さくら
シェフ

我々はどうしても、このアスパラをこの日に何キロ仕入れたいというと、例えば週二回というふうにルーティンで送っていただくようなことがあるとすると、万が一そのうちの二本が腐ってて調子が悪かったときしか連絡しないようになっていってしまうんです。「良い」「すごい美味しかったよ」とか、「昨日と今日ではこんな風に違ったよ」という情報発信はなかなかできなくて。どうしても調子が悪いときに、そのうちの何本か調子が悪かったら返品して交換させてもらってもいいですか、という情報のやりとりしかなくなってくるんです。

フレマル
(安達)

ちなみにフレマルは生産者の方と、直接LINEみたいにメッセージでやり取りできたり、納品されて受け取りました、というときに、レビューとして星を付けたり、「美味しかったよ」の一言を入れていただけるような、簡単にコミュニケーションができるような機能を入れているんです。コミュニケーションで、ぜひ信頼関係を築いていただきたくて・・・

秋元さくら
シェフ

「すごく良かった」とか、「お客様からお褒めいただいた」みたいなことをお互いに双方にいろいろ言い合えるような環境が整ってきたら、本当に心がこもっていくんだろうな、というふうに感じますね。
たまに調子の悪い時だけ連絡してるなと思うときも我々もありますから。良い時やお客様からの声などもどんどんお伝えできるような仕組みになってくといいなとは思っています。

フレマル
(安達)

やっぱり生産者にとっても、シェフの方が美味しかったよと言ってくれるその一言が、ものすごくモチベーションが上がるし、賞を取ったみたいにうれしいことだと皆さんおっしゃっています。

秋元さくら
シェフ

地道な作業ですからね。

フレマル
(安達)

お忙しいとは思いますが、ときどきでも構わないので、「おいしかったよ。今日もおいしかったよ」のような一言があると、きっと生産者も「もっと頑張ろう、もっと良いものを作ろう」という気持ちになれるかなと思っています。ぜひそんなコミュニケーションをとっていただけたらなと思って作ったサービスでもあります。

秋元さくら
シェフ

料理人も人間なので、ちょっとだけサンプルが入っていたりすると、使ってみようかなとか、発注してみようかなとか、お礼言うためにご連絡取らなきゃな、っていう気持ちになりますよね。ちょっと試して作ってみたものとか、たまたま畑でゴロっとしてたものとかを一緒に送っていただくような感じになってくると、血の通ったコミュニケーションみたいなところのステージに行くのかなというふうに思っています。

シェフと生産者の血の通ったコミュニケーションから、お客様の喜ぶ姿をお互いに共有し、その喜びを分かち合えたら素敵なことですよね。
旬を大切にした「モルソー」は、秋元シェフの人柄がお料理から伝わる、舌も心も満たされる、元気になれるお料理と、日比谷公園の四季折々の自然が楽しめるパワースポット。
フレマルを通じたシェフと生産者のコミュニケーションから、これから沢山のイマジネーションが生み出されていくことを楽しみにしています。

morceau
フランス家庭料理レストラン モルソー
秋元さくらシェフ

【お店情報】
東京ミッドタウン日比谷
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-1-2-2階
Tel :03-6550-8761
Tel Reservation:050-3184-3794
HP :http://morceau.pinoko.jp/

フレマルの飲食店生産者様はログインの上、プロフィールをご覧ください!
https://fremar.jp/users/shop_restaurants/4170793652

関連記事